心はきっと思った以上に素直だ
海に行くと心が躍る
磯の香り
さざ波の音
港町の賑わい
見渡す限り続く地平線
わたしにとって馴染みのないものたち
けれど嫌悪感はなく
心に賑わいを与えてくれる
内陸にいると時に地球の広さを
忘れてしまうことがある
頭の中ではここが広い世界のうちのちっぽけな街でしかないことをわかっているのに
山にでも登ったらまた景色は違うのだろうけれども
海に感じるような世界が果てしなく続く感覚はないような気がする
海は多量の海水でできている
その一端に触れただけで世界中のありとあらゆる
海の一部に触れていることになるなんて
壮大ではないか
同じことを思えば
地に手を這わせれば
地球に触れていることになるのだから
それこそ壮大であるけれど
地に足をつけて生きているからか
海に触れた時よりも感動は薄いのやもしれない
地面に背をつけて寝転ぶと空に抱かれている気分になったりしないだろうか
うつぶせになれば、まるで地球の鼓動が聞こえるようだと思ったりしはしなかっただろうか
地球上に生まれ落ちて生きていると
地球という星の上で生きていることを忘れがちだ
当たり前のことだから
けれど海に触れ、大地に触れ、空に抱かれてみると
それがいかに美しく、心洗われるような場所で生きているかが
分かる気がするのだ
試しに土の上とアスファルトの上とで
寝比べてみるといいかもしれない
地球を感じる度合いが大きく異なる
どちらがあなたの心を躍らせるだろうか